薄毛(ハゲ)の原因となるのは、大きく分けると3つあります。
・頭皮の炎症によるもの・・・頭皮の乾燥や、皮脂の過剰分泌により、皮膚が炎症を起こして、抜け毛ができる ・男性ホルモンの影響によるもの・・・AGA(男性型脱毛)、FAGA(女性型脱毛)など ・生活習慣の乱れによるもの・・・加齢、生活の乱れ、ストレスなどによって頭皮の血行が悪くなり、髪を育てるための栄養分が不足するため |
ここでは、頭皮の炎症による脱毛症について、詳しく調べてみたいと思います。
目次
頭皮の炎症が原因の薄毛
頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌によって、頭皮に炎症(マセラチア菌による肌トラブル)が起きることで、抜け毛が増えて、薄毛は進んでいきます。
粃糠性(ひこうせい)脱毛症
頭皮の乾燥によって大量のフケが発生し、マセラチア菌が増殖することで起こる炎症が原因の脱毛症です。
発症の原因は脂漏性(しろうせい)脱毛症とよく似ていて、乾燥フケによるものなのか、皮脂の過剰分泌によるものなのかの違いです。
粃糠性脱毛症は、頭皮の角質異常によって角質が剥がれ落ちるので、それが乾燥フケとなって大量に発生します。
その量は「多少多い」くらいではなく、「異常に多い」量のフケです。
その乾燥フケが頭皮の毛穴を塞ぐと、乾燥フケをエサにしている常在菌(マセラチア菌)が大量に増殖します。
このマセラチア菌とはカビの一種で、誰の頭皮にも普通に存在しています。
しかし、大量に増殖すると、乾燥フケを食べたマセラチア菌は、肌に刺激を与える脂肪酸という酸を作り出します。
この脂肪酸によって刺激された頭皮は炎症を起こし、毛根の働きが低下して、抜け毛が増えて薄毛(ハゲ)が進行します。
粃糠性(ひこう性)の原因とは
粃糠性脱毛症(ひこうせい)の最初の段階である「頭皮の角質異常」は、どんな原因で発生するのか、未だ解明されていません。
ただ、通説では、ホルモンバランスの乱れや、乱れた生活習慣、偏った食生活、アレルギー症状などが原因だとされてています。
したがって、皮膚にアレルギー症状を持つ方は、比較的発症しやすい傾向にあります。
発症する原因が1つであることは少なく、色々な原因が重なり合い、角質に異常が発生して剥がれ、大量の乾燥フケが作られます。
すると、その乾燥フケをエサとするマセラチア菌が繁殖し、作り出された大量の脂肪酸によって、頭皮は炎症を起こします。
頭皮が炎症を起こすと、毛根の働きも低下し、髪の毛の生え替わりのサイクルは乱れてしまいます。
今、生えている毛が抜けやすくなるだけでなく、新しい毛を育てる機能も低下するため、薄毛になってしまうのです。
きちんとシャンプーをして頭皮を清潔にしているのに、大量のフケが出ている場合は、粃糠性脱毛症の可能性が高まります。
脂漏性(しろうせい)脱毛症
脂漏性脱毛症は、皮脂が過剰に分泌されて頭皮全体の毛穴を塞ぎ、マセラチア菌(カビの1種)が繁殖して、抜け毛が多くなる脱毛症です。
適量の皮脂は頭皮や髪の毛を保護するために必要ですが、分泌量が多すぎると、皮脂をエサとするマセラチア菌が異常に増殖します。
マセラチア菌は、皮脂を分解して、肌に刺激を与える脂肪酸という酸を作り出します。
この脂肪酸によって刺激された頭皮は炎症を起こし、抜け毛を増やしてしまいます。
脂漏性(しろう性)の原因とは
脂漏性脱毛症(しろうせい)が発症する原因は、生活習慣やホルモンバランスの乱れ、偏った食生活、洗浄力の強いシャンプーの使用などによって、頭皮に皮脂が過剰分泌されることにあります。
【 ホルモンバランスの乱れ 】
ホルモンバランスが乱れて男性ホルモンが過剰に分泌されると、皮脂も過剰に分泌されるようになります。
また、ホルモンバランスの乱れは免疫力の低下を招き、頭皮に炎症を起こしやすくなります。
【 生活習慣の乱れ 】
睡眠不足やストレスは交感神経の働きを優位にするので、男性ホルモンの分泌が過剰になり、皮脂が通常より多く分泌されるようになります。
また、過度なストレスは自律神経を乱して血流を悪くするので、頭皮環境は悪化します。
【 食生活の乱れ 】
脂質の多い肉類や脂分の多い揚げ物、糖質の多いスイーツ、ファストフードやインスタント食品ばかりの食事は、栄養バランスを偏らせ、皮脂の過剰分泌を招きます。
和食を中心としたバランスの良い食事は、頭皮ばかりではなく、体全体の健康維持にもつながります。
【 シャンプーの仕方 】
刺激が強く洗浄力も強過ぎる市販のシャンプーを使ったり、1日に何回も髪を洗うと、皮脂を落とし過ぎてしまいます。
本来、皮脂には頭皮や髪の毛を保護する働きがあるので、ある程度の量は必要です。
皮脂があまりにキレイに洗い落とされると、脳は頭皮を守るべき皮脂が足りないと判断し、皮脂を過剰に分泌させるようになります。
また、シャンプーの洗い残しは、頭皮環境を悪化させます。
今一度、正しいシャンプーのやり方を確認しておかれることをオススメします。
→ シャンプー選び、適切な回数や時間帯、正しいシャンプーのやり方を確認するには、こちら
頭皮の炎症は、ハゲるのか?
粃糠性(ひこうせい)脱毛症や脂漏性(しろうせい)脱毛症などによる頭皮の炎症は、毛根の働きを低下させるので、そのままにしておくと、薄毛になってハゲる可能性は高くなります。
健康な毛根は髪を太く長く育てますが、その働きが低下すると、髪の毛が成長しきらないうちに抜け毛になってしまったり、新しい毛を発毛させる働きをしなくなってしまいます。
ヘアサイクルが短くなり、未成長で細くて短い毛ばかりが増えたり、新しい毛が生えにくくなるので、薄毛が目立つようになってしまうのです。
頭皮が炎症を起こしたままでいると、ハゲは間違いなく近づいてきます。
対策はどうするの?
粃糠性(ひこうせい)脱毛症も脂漏性(しろうせい)脱毛症も、原因となる乾燥フケや皮脂を抑えることで、完治させることは可能です。
頭皮の炎症が原因で抜け毛が増えたと考えられる場合には、すぐに皮膚科などの病院に行って治療を受けて下さい。
まずは、頭皮の炎症を改善するしかありません。
病院で治療を受けると共に、シャンプーを刺激の少ないものに変えたり、生活習慣や食生活を改善し、頭皮にやさしい生活を心がけましょう。